長崎県五島市では、近年見かけなくなった伝統的な日本家屋を今でも数多く見ることができます。
　伝統的な日本家屋は木造で建てられており、木の大敵である湿度を減らすために、空気をよく通す家が求められてきました。

　今回リフォーム工事を行ったお宅も、入母屋造り・下見板張りという典型的な日本家屋。
　ということは、空気をよく通す家で、冬場は寒いことが判明。
　一方、築30余年ということで寒さ対策以外にも改善要望箇所が多く、お客さんと話し合いを重ね、今回の工事では
　次の3点に集中してリフォームをすることになりました。

　　「早く入りたくなるお風呂」、「いつまでも座っていられるトイレ」、「火事の心配が要らないオール電化」

　１日の終わりにリフレッシュする場、それがお風呂。
　お風呂に入った瞬間、「あー、今日もいい１日だった。」とリラックスしてもらえることが、お風呂をリフォームすることの目的と考えました。

　長らく日本の住宅で用いられてきたタイルの特長は綺麗な見た目ですが、一方で「滑る」、「冬に冷たい」ことが難点でした。
　今回の工事では、ユニットバスに変更することで、「滑る」、「冬に冷たい」の課題を解決しつつ、「脚を伸ばせる浴槽」とすることで、リラックスできる空間づくりを目指しました。　

　今回施工したユニットバスの床材は特殊樹脂でできており、水にぬれても滑らず、また冷たく感じることもほとんどありません。
　また、既存の家には断熱材が入っていないこともあり、浴室自体の断熱性能を高めることも大事と考え、下記の３つも商品選択の際に、留意しました。

　１つ目は、新築住宅のユニットバスでは選択しない壁・床断熱有の仕様にしました。
　２つ目は、アルミ・単板のサッシから、断熱性能の高いアルミ・樹脂複合サッシ（エピソードNEO）を選択しました。
　３つ目は、暖房機能付きの換気扇とし、冬将軍が襲ったとしても、暖房で補完可能としました。

　これら３つに加えて、浴槽も断熱材付きとすることで、浴槽全体を暖かく保温できるようにし、「あー、今日もいい１日だった」との言葉が出てきやすくする工夫を行いました。

　従来、灯油シャワーからエコキュートに変更すると、水圧が弱い課題がありました。
　そして、冬場は水圧が弱いことで、寒く感じることもありました。
　
　しかしながら、最新の日立製エコキュートは、水道直圧機能があり、水圧が灯油シャワー同等となり、冬場でもしっかりシャワーを浴びることができます。
　浴槽からでて身体を洗うときにも、「あー、今日もいい１日だった」と感じてもらうことができます。

　伝統的な日本家屋では、実をいうと洗濯干し場に困ります。

　筆者自身も日本家屋に住んでいます。洗濯ものが人目に付かないにしようとすると、洗濯干し場は縁側にならざるを得ないのですが、①スペースが必要なこと、②乾燥までに一定時間必要なこと、③室内の湿気対策が課題でした。

　ということで、今回のユニットバス化に合わせて、洗濯物を干せる場所にしようと、乾燥機能付きの換気扇としました。浴室内に洗濯物を干す場所と利用することで、上記３つの課題を解決することができました。